東京朝霧山岳会活動日記Ⅱ

会山行活動の簡単な報告です!

ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ上記画像:インド ガンゴトリ山群 バスキパルバット(6792m) ㅤㅤㅤㅤㅤ ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ ※各画像をクリックすると拡大されます

八ヶ岳縦走(その1)

私が初めて南八ヶ岳を縦走したのは、1976年8月である。会社の同僚と夏沢峠から編笠山へ向かうコースを辿ったのである。あれから40年が過ぎ、再度、四季の全八ヶ岳登山を何回かに分けて楽しむことにした。今回は、第1回「残雪期の編笠山〜赤岳」の記録である。
1日目、(3/17)
正午に自宅を出る。新宿からあずさ号に乗車。三連休の前なので列車は混んではいない。小淵沢駅からタクシーで観音平口ゲートに向かう。開けた自然歩道を通り標高1580mの観音平に着く。所々に雪はあるが、空気の暖かさや、小鳥の囀りは春景色間近かといった様相である。麓の見晴らしの良い東屋を借りてツェルトを張る。
2日目、(3/18)
雲海展望台まで、ダケカンバやカラマツ林の間の所々にしか雪のない山道を登っていく。押手川前で本格的な雪道となり、アイゼンを装着する。山頂近くになるとこれまであったトレースは消え急な雪面となる。しばらく登ると編笠山(2524m)の頂上に達した。頂上には2人の登山者。ここからの眺めは素晴らしい。南八ヶ岳の最南端に位置しているので展望が楽しめる。眼下には、諏訪から甲府へと北西から南東へと釜無川に沿って広がっている。南には、甲斐駒ケ岳、その右に鋸岳が、奥には雪をまとった仙丈ケ岳が見える。甲斐駒の左には、北岳鳳凰が続いている。その奥には富士山が、休憩後「遠い飲み屋青年小屋」下りていく。(現在閉店中)登山道は、大きな岩の上を歩くことは無く、歩き易い雪道となっている。小屋からは権現岳に向かってコメツガやトウヒなどの樹林帯の中の雪道を登っていく。ノロシ場から振り返るとなだらかな円錐形の網笠山が、西ギボシへは東面の緩やかな雪の斜面を登る。斜面に何かしら黒く動くものが見える。さては熊か?近寄ってみると日本羚羊の番いのような二匹が枯草を食んでいた。東ギボシを過ぎ権現岳直下の権現小屋近くで本日は終了としツエルトを張る。
3日目、(3/19)
朝方、ガスで見通しが悪く赤岳が見えない。ルートが不安なので、ハーネス、ヘルメットを装着。出発の準備をしていると、ツェルトの前に人がまっている。数人のパーティで三ツ頭から編笠山に行くという。すぐ上の権現岳の山頂の桧峰神社を通過し、20m程の源治梯子と呼ばれている鉄梯子を下りる。下りたところから右に雪壁をラバースするのだが眼鏡が曇ってしまい、良く見えない。右往左往していた所、後続の単独の女性が、自分の上側の雪面を難なくトラバースしていってしまった。ここからは、安全地帯まで眼鏡を外して行動する。旭岳は、西の斜面をトラバースしていく。ツルネにはツルネ東稜への分岐がある。ツルネ東稜は、1981年12月に単独で登った記録がある。このときは赤岳を経由して阿弥陀岳の南稜を下山している。キレット小屋は、標高2460mのキレットから少し下ったところにあるが、寄らずにそのまま稜線を進んでいく。後続の数名のパーティに追い越される。高年のオッチャンの単独登山者を見てどう思っているのだろうか。右に見える天狗尾根は、大天狗と小天狗がそのスカイラインに大きなギザギザを刻み赤岳に伸びている。さらに中岳から阿弥陀岳に続く、その形はアルパイン的な威容があり登高意欲をかき立たせる。急なルンゼを登り天狗尾根が合流するところまで来ると大天狗と小天狗は眼下となった。文三郎尾根への最初の分岐点続いて竜頭峰に突き上げている真教寺尾根への分岐点、そして頂上直下の文三郎尾根への分岐点を登り越して行くと八ヶ岳連峰の最高峰赤岳南峰(標高2899.4m)にようやく到着する。山頂には、西面からの登山者や岩稜登攀者などの多くの人で溢れていた。ここからは、南八ヶ岳の山々が見える。南には、縦走してきた旭岳、権現岳からの尾根、左に三ツ頭、右奥に編笠山が見える。西に中岳から阿弥陀岳、左の尾根は南稜、右側に北稜と北西稜が見える。北に横岳から小同心、大同心、硫黄岳そして奥には天狗岳蓼科山が望める東には、杣添尾根と県界尾根が野辺山方面に伸びている。写真を撮り下山にかかる。下山は、地蔵の頭から地蔵尾根を下降する。地蔵尾根の下り口は急な斜面だが、雪が良く踏み固められているので安心して下ることができる。行者小屋から中山乗越を通り赤岳鉱泉に達する。初めて見た「アイスキャンディ」は、以外に大きく氷柱の青白さが美しい。今日は赤岳鉱泉泊まりとする。
4日目、(3/20)
快晴。7:10に出発する。多くの登山者で踏み固まれた柳川北沢を美濃戸山荘に向かう。日当たりの悪い道路は一面氷の路面と化している所もあったのでアイゼンを履いたまま美濃戸口の近くまで歩いた。八ヶ岳山荘で入浴してから茅野駅行のバスの席に着いた。(塚田)


※  企画山行、第2回「八ヶ岳シリーズ」こうご期待下さい!  (校正係)

( 里山歩きからヒマラヤ登山・・・それが我々のフィールドです ) ㅤㅤㅤ 東京朝霧山岳会