東京朝霧山岳会活動日記Ⅱ

会山行活動の簡単な報告です!

ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ上記画像:インド ガンゴトリ山群 バスキパルバット(6792m) ㅤㅤㅤㅤㅤ ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ ※各画像をクリックすると拡大されます

利根川水系 湯檜曽川 東黒沢

天気は快晴、初夏のような気温でやや汗ばむくらいの文句なしの天候。
土合10時頃着。直ぐに歩き始める。 東黒沢に入りほどなく装備つける。暫く遡行すると迫力のある滑滝ハナゲの滝が現れ左より高巻くと白毛門沢を左に分けて進む。美しい滑床、小さなゴルジュ、5m滝を途中ロ-プを使用しながら快適に進む。 午後2時頃まではこのような調子で美しい谷の楽しい遡行であった。途中で水流一対一の沢の分かれ目に出合う。これを奥ノ二俣と勘違いして右の枝沢を選択したのが間違いであった。 

本来はこのまま何の困難もなく本流を遡行して白毛門岳から東に伸びる尾根(登山道無し)のコルに出て一時間ほどコルの向こう側に沢沿いに下った快適な幕営地で宿泊する予定であった。 

奥ノ二俣と勘違いしたのは実は一本手前の枝沢との分岐であった。水流はやがて枯れて傾斜は急となり硬い泥壁状となる。途中間違いに気づいて左にトラバース気味に進んで深く切れ込んだ涸沢を本流と判断して懸垂下降した。このまま更に急になる硬い泥壁状を途中空身になったりして苦労して進み、4時前頃にやや視界の開けたところに出たが、目標のコルは西に500M以上離れているのを見て意気消沈。急な斜面と深いヤブをトラバースしてコルに出るのは無理である。安全地帯に抜けるにはひたすら直上するしかない。小岩峰、露岩部を右より巻き、厚い熊笹石楠花帯をかき分けて日没前に狭い尾根に出た。疲労困憊である。幸いなことに分かりづらいが踏み跡がある。尾根上斜面に強引にテントを張り水は最小限で行動食を食べて眠りについた。満点の星空である。
翌朝明るくなる5時半出発、踏み後はわずかでも白毛門山、笠ヶ岳が遠望出来る。コンパスで1495m峰に一回下り尾根をはずさず進む峰の頂点に「丸山」表記あった。 次は広い尾根を「西」に下降。広い尾根なので左右に振られながら藪を漕ぐ。途中方向を確認、前日目標のコルに降り立つ。コルは予想外の深い熊笹帯であり遡行者の踏み跡が無いので少々困惑する。ナルミズ沢遡行への継続は既に諦めていたが下山路として南に東黒沢を下降し土合いへ下りるか、コルを北側へ走る枝沢を下りウツボキ沢、宝川出合を経て登山道経由で宝川温泉へと下りるかを協議。ガイドブックによると後者を選んだ場合さしたる困難もなく1時間程度で宝川出合の登山道まで出られるようであるので後者を選択する。 鞍部の低いところから北へ向かい降りるとほどなく小沢に出合いぐんぐん降りていくと3~5m滝がいくつかあるものの小巻で何とかなる。50分程で宝川出合に着く。ここから延々と登山道、林道を下り4時間余りで宝川温泉に着いた。運良く水上行きのバスが間もなくあり帰路についた。(バス停までは更に20分歩く) (木戸他1名)

(反省) 

今回は地図、コンパス、GPS高度計と万全なる装備で臨んだが沢の詰めを間違えてしまった。ガイドブックの遡行図のみに頼り確認を怠ったのが原因である。水流の配分のみではなく、高度、沢の流入する方角等を見れば間違いは明白である。間違いに気づいた後沢を戻らずに安易にトラバースによりルートを修正しようとしたのも問題であった。何より出発時間が遅すぎた。今回の沢では前夜発が望ましい。沢の場合、幕営地や稜線には午後2時頃には着けるよう計画を立てるべきである。   

   


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