東京朝霧山岳会活動日記Ⅱ

会山行活動の簡単な報告です!

ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ上記画像:インド ガンゴトリ山群 バスキパルバット(6792m) ㅤㅤㅤㅤㅤ ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ ※各画像をクリックすると拡大されます

奥多摩 日原川 鷹ノ巣谷 

9/23  秋分の日、伊藤 守より誘いがあり、1年ぶりの沢登りへ向かった。奥多摩駅 8:35 東日原行きのバスに乗車 終点下車。昨夜から降り続いていた小雨は上がり薄日が差してきた。長かった残暑もようやく終わりを告げ涼しく爽やかな気候である。日原川の橋を渡り、下流側左に曲がるとすぐ鷹ノ巣谷出合である。支度をして9:40 遡行開始。1時間ほど平凡な沢筋を行くとまもなくゴルジュ帯となり、小滝を心地よく越えて行く。深い釜が無いので体が余り冷えず滝の取付きは楽である。3段12mの滝上部凹角は傾斜がきつくホールドも殆ど無いが、岩溝にハーケンとスリングが縦に並んでいるのでこれを掴んで体を引き上げた。12時過ぎに大滝2段20mの基部に着いた。ロープを出し右壁を登る。下段中間部に一本ハーケンがあり、スタンスが乏しく思い切って足を上げる必要があるが、その上は岩の割れ目からしっかりと張り出した木の根を掴んで登る。水の溜まったテラスでピッチを切り、セカンドをビレイする。すぐ左脇を垂直に滝が音をたてて流れ落ちており迫力がある。上段はビレイポイントは無いがルートを選べば大きめのホールドが連続し、難なく登れる。上段でビレイ中、左岸の斜面を暇そうにトラバースする熊を目撃した。大滝上部のワサビ田跡から左岸の仕事道を下るつもりであったが、見つからないので右俣の水ノ戸沢を詰める。GPSを頼りに稲村岩尾根の1530mコルを目指して喘ぎながら詰め上がる。上部の急斜面は滑らないように四つん這いで登り、16:20にコルに着いた。ここから稲村岩尾根の長い下りである(下部崩壊のため通行禁止)。尾根が広く不明瞭なのでGPSと赤テープを頼りに下山する。稲村岩手前から巳ノ戸沢に向かって降りる急斜面ではヘッドライトを着けスリップしないように慎重に降りた。巳ノ戸沢との出合(740m付近)は数年前の台風の影響か、倒木・土砂が堆積しておりルートを見つけることは困難となっていた。既に暗くなっていることもあり、体力を消耗する前にツェルトビバーク( BP ) することに決めた。落ち葉の積もった斜面に張り頭を上に横になることができた。小雨が降っていたが幸い寒くはなかった。翌24日 5:20出発。伊藤先頭でGPSのルートを頼りに右岸のザレた斜面を沢沿いに下降しながら左岸の登山道を探す。左岸に登山道が見えてきたがところどころ崩壊しているようだ。左岸の登山道が沢に近くなったところで渡渉し、しっかりとした道を踏んで昨日の橋を渡り車道に出た。( 木戸、伊藤 守 )

9/23  日原バス停(9:10頃)〜入渓遡行開始(9:40頃)〜大滝上(12:40頃)〜稲村岩尾根(16:20頃)〜ビバーク地点(19:00頃)   9/24 ビバーク地点(5:20)〜巳ノ戸沢左岸渡登山道(6:00)〜東日原バス停( 6:45 )

 

(補記)

本沢は1981年4月に単独遡行、弱冠26才(朝霧入会前)に登っている、さて今回3段12mの滝上部凹角にスリングを頼りに登る、凹角に靴をねじ込むが新沢靴なので決まったか不安で躊躇した!大滝2段20mはセカンドではあるが下段中間のハーケンにスリングを付けたしてA0でずり上がったが、スリングの回収に手間取る大滝上で仕事道を探すものの見つからず、遡行を継続、右俣の「水ノ戸沢」に入りつつも仕事道を探す、いくつもの小滝からさらに左沢をつめると急峻で「ふかふか」な斜面は両手足を突っ込みながら「バイル」を忘れたことを悔んだ!その先は傾斜も弱くなり稲村岩尾根に16:30。できうれば明るいうちに稲村岩崩壊地点通過をと思い先を急ぐが、最近登られた痕跡が薄いのでテ-プ・GPSを確認しながら下降するが間もなく暗くなりまた小雨も降りだす、稲村岩のコルより巳ノ戸沢側の斜面は急で雨で濡れているしなおさらうすぼんやりしたライトで不安max、近年ロクが出たのもうなずけた!ジグザクをいくつかきると傾斜もなくなり沢音が近い--踏み跡も出てき安心した「日原」への標識を過ぎると徒渉点?があり対岸に渡るが倒木が酷く難渋するしその先で滝が出てしまったので「日原」標識まで戻り踏み跡を探すが見つからないので協議の上、ビバ-ク幸い携帯も通じ、ツェルトを若干斜面ではあるが張った、夜中ず-と小雨だったが寒くはなく、5:20出発、間もなく踏み跡を進むと崩壊斜面で消えていたので沢沿いに下流を目指すそのころより左岸に登山道があるが随所崩れている、さらに下流に進むと急峻な斜面を無理して下るとようやく踏み跡からだんだんはっきりした登山道となり巳ノ戸橋を渡り道路に出た!木戸に「面白い山行だった」といったら「ニヤッ」としていた ― ― さあ 次は何処へ行こうか!( 伊藤 守 )

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