東京朝霧山岳会活動日記Ⅱ

会山行活動の簡単な報告です!

ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ上記画像:インド ガンゴトリ山群 バスキパルバット(6792m) ㅤㅤㅤㅤㅤ ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ ※各画像をクリックすると拡大されます

北八ヶ岳 東天狗岳(2,640m)

  サークル仲間から「雪山に行きたい!」と申し出があり雪上訓練も盛り込んで、初級コースの北八ヶ岳天狗岳へと向かった。リーダーは私。他3人で女性一人が雪山デビューの編成。当日、事前に装備合わせしたのに防寒着を持ってきてない。そしてもうヤッケを着ている。朝霧では考えられない朝の特急あずさで茅野へ。バスに乗り換え渋の湯に向かう。バスは登山客で満員。渋の湯で下車してアイゼンを付けて登山開始。天候は晴れ。緩やかなトレースばっちりの道をゆっくり登る。10年ぶりの道だ。4時間掛けて黒百合ヒュッテ前に着くと20数張りのテント村だ。テントを張り前の斜面で歩行、滑落停止を息が切れるまで反復する。ゴムの雨具に着替えたが滑る、滑る。夜は豪勢にキムチ鍋を囲んだ。

  夜はギンギンに冷えて、標高2,400mなので気温-15℃、快晴、風無し。周りも一斉に歩き出す。女性はサブリーダーがアンザイレン。樹林帯から二つの天狗岳が顔を出す場所では風が強くなる。過去の凍傷で両手指が痛く交互に手袋中でニギニギして温める。樹林帯で呼吸を整えお互いの口元、顔回り、フード締付け等の服装点検、耐風姿勢の確認をする。樹林帯を過ぎると風がどんどん強くなる。北西風が強く右ほほに雪つぶてが容赦なく叩く。東天狗岳頂上に着くが風速は15m~20m位か(過去4年間地上100mでの風力測定を毎日していた経験から想定)ここから6m高い主峰、西天狗岳は諦めて下山する。今度は左ほほに雪つぶてが叩きつける。下から登山者がどんどん上がってくる。降りた黒百合のテント場は風もなく暖かった。撤収して渋の湯に降りる。バス迄3時間もあるのでタクシーを呼んで茅野駅に着き蕎麦屋に入る。そこで一人のメンバーが薄手の手袋を初めて脱いだが一本の指が赤黒くなって水泡ができ(凍傷2度)その他2本の指も腫れあがっていたのでびっくりする。明日、医者に行くようにお願いした。( 山口 他3名 )
※5日後、メンバーの赤黒い指は面積が広がり、隣の指は第一関節の水泡が指ぐるりと水泡になっていてまた、右ほほも一部黒くただれていて痛々しかった。3本の指に包帯を巻いてあった。メンバーの女性も右に凍傷を負っていた事が分かった。
※今回の登山はパーティー登山である。結果的に4人のうち一名に中程度の、一名に軽症の凍傷者がでてしまった。当時の気象条件は黒百合平で気温-15℃なので東天狗岳では気温-16℃として、体感温度は-31℃から-36℃あったと思われる。4名のうち私とサブリーダーは厳冬期登山豊富だが男性は過去数えるほどしか経験していない。女性は初めての経験である。悔やまれるのは樹林帯で服装点検はしたが事前に机上講習で、凍傷と服装についてこと細かく体験を含めて教えるべきだったと思った。

2/25:自宅(04:50)⇒印西牧の原駅(05:20)⇒JR浅草橋駅⇒中央線新宿駅(07:00)特急あずさ⇒茅野駅⇒(09:00-09:20)⇒渋の湯(10:00)⇒黒百合平テント設営⇒(14:15)⇒雪上訓練(15:00-16:10)⇒消灯(20:00)

2/26:黒百合平(06:20)⇒東天狗岳(07:47)⇒黒百合平⇒渋の湯(11:26-11:50)⇒茅野駅⇒特急あずさ(12:30-13:36)⇒新宿⇒浅草橋⇒印西牧の原(17:10)⇒自宅(17:30)

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( 里山歩きからヒマラヤ登山・・・それが我々のフィールドです ) ㅤㅤㅤ 東京朝霧山岳会